気の向くままに 前田 亮 |
NSNでいつものように北村公一さんとチャットしていた時、突然に 「どうだ、書いてみんか」 「えーー!!」 という話になり、なんだか面白そうだからというだけで簡単に引き受けてしまった。まあ、アマ強豪ばかりではなく、たまには私のようなのが書いてもいいかな、というわけでNSNの事とか近況なんかを書いてみようと思う。 北村さんのエッセイにも簡単に紹介されていたのだが、私はいまネット将棋界でいろいろ話題になったNSNで社員として働いてる。元々はファミコンソフト「内藤将棋秘伝」で一発当てた某ゲームメーカーのアルバイトだったのだが、将棋をやっているというだけで「NSNプロジェクト」に参加させてもらったのである。 当時はなにもかも初めてで、まったくの手探り状態だった。そのうちだんだん会員の方とネットでお話をする機会も多くなり、実際に将棋大会などで顔をあわせる事も増えてきて、交友関係が広まった。会社のおかげだと感謝している。その間会社の方はといえば将棋連盟内の怪文書騒動、任天堂64で森田将棋の発売、社長交代、アマ名人戦NSN枠問題、事務所の移転、週刊誌でのヒール役、ネット初の賞金100万円大会など様々なことがあって、常に渦中にいたような気がする。その賞金大会だが第2回の日立杯を夏に予定していて、詳細は「将棋世界」に掲載される。しかしこの会社もよくやるものだと、社員ながら、良くも悪くも感心してしまう。 それと近いうちにNSNでは大リニューアルもやる予定で、従来のようなわずらわしい手続きをすべてなくしたタイプになって、すこしは今風のシステムに近づけたらと思っている。いままで低空飛行をつづけてきたが、もうそろそろなんとかしたいなあ、と思う今日この頃である。 現在私は東京在住だが数年前まではずっと千葉県にいたので、すこし千葉棋界のことに触れたいと思う。 私が将棋に夢中になり始めた頃の千葉棋界では高橋治雄さん、高橋和光さん、成島栄さん、宗方一男さん、松本幹宏さん、千木幾雄さんなどの全盛期で、第2グループ以下はまったく寄せ付けなかった。それが昭和60年ぐらいから徐々にゆらぎはじめ、元奨励会のメンバーが台頭してきた。 平成にはいると完全に勢力図がかわった。青柳敏郎元アマ竜王、山田敦幹朝日アマ名人、山本薫元アマ準竜王、嘉野満元赤旗名人、矢橋修前支部名人といったそうそうたるメンバーが、かわるがわる代表になるという図式である。このころがたぶん一番千葉のレベルが高かった、黄金時代のように思う。 しかしこの黄金時代も青柳さん、嘉野君が東京にうつり、山本君が大会にでてこなくなり、終わりを迎える。その後は山田君と矢橋君のツートップかとおもわれたが、矢橋君が意外と活躍せず、実際は皆さんもご存知のとおり、千葉は山田君の独壇場になったのである。今後の千葉県大会の見所はだれが山田君を止めるかという一点に絞られると思う。そういう意味で、今回のアマ竜王戦予選で山田君を破った狼谷力君の活躍は立派なものである。現在の千葉で思い付くまま名前をあげれば山田君を筆頭に矢橋修君、竜王戦代表の佐藤歩さん、学生名人の奥本心さん、明治の伊藤享史君、前述の狼谷君といった感じだろうか。個人的にはもうすこし矢橋君に活躍してもらいたいと思っている(当然本人は私以上に思っているだろうが)。 殿岡裕里君(現関東奨励会初段)と始めて出会ったのはもう7年近く前になる。当時彼は中学3年で、千葉の田舎道場ではちょっと気のきいた二段ぐらいだったと思う。そのころ私は最初に入った会社を辞めて一日中将棋道場に入り浸っていたため、殿岡君はまさに手頃な相手だったのである。そのちょっと珍しいアイドル風の名前と、気持ちのいいぐらいの早指しが気に入って、ほとんど毎日のように10秒将棋で遊んでいた。彼が高校に入ったころ突然、「奨励会受けようと思うんですけど」と言った時には「こいつ冗談でいってるんだろーなぁ」と思ったのだが、彼は当たり前のようにその年の奨励会試験を加瀬門下5級で受験したのである。しかし流石にこの挑戦は失敗したのだが、彼はこの程度で諦めるような男ではなかった。1年間奮起して、翌年4級でトップ合格を果たしたのである。その後、決して順調とは言えないまでも確実に昇級してなんとか初段まできた。現在彼とは私の参加させて頂いている月一回の研究会でよく顔をあわすのだが、この研究会でも彼は人気者で、打ち上げの席でも常に彼の話題では盛り上がっている。ここまで来たからには、殿岡君にはなんとしても四段になってもらいたいものである。 今年もこの季節がやってきた。毎年シーズンの終りには「来年はもっとパワーアップして」と思いながら、なにも変わらずこの季節を迎えてしまうというくり返し。 リーグ初日、私は残念ながら仕事の都合で欠席。仕事が終って新橋で打ち上げだけ参加したのだが、わがチーム翔風館FAPは、なんと3勝1敗の成績で、勝ち星では現在第3位。東大、紅萌という強敵に勝っての3−1はホントに嬉しかった。 とくに東大戦では、うちの吉田正和(謎の15歳)が東大のスーパースター樋田栄正君を持ち時間17分も残してぶっちぎったという話は、正直感動を覚えた。今年あたり、彼はアマ棋界で大暴れするのではないかと思っている。
(次回は杉野忠夫さんにバトンタッチ)
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