甲斐国より 杉野忠夫 |
あれは確か、12年前、平成元年の第2回アマ竜王戦だった。時に17歳、高校2年だった私は、初の「メジャー」に挑んだ。山梨勢初の1勝が目標だったが、予選リーグ1回戦の大逆転勝ちをきっかけに、まさかのベスト8入りを果たす。これが、私の今までの自己ベストであり、ベスト8進出を決めた対平野真三氏戦は今でも誇りである。 あれから12年、2001年の今年、奇しくも5回目の竜王戦県代表として6月23日、5年ぶりのアマ竜王戦全国大会。初戦で名刀・天野高志氏との初対局が実現、相矢倉で作戦勝ちできただけでも幸せだった。結局、最後は滝源太氏に切らされ、1−2で予選落ち。出場5回目にして初の予選落ちを味わったのである。 しかし、ここから奇跡は起きた。翌24日は、当初出場するつもりのなかったアマ名人戦山梨県予選に出場。本来アマ竜王戦の全国大会2日目である。気落ちしていたのだが、ここでの敗戦はぺしゃんこを意味する。無意識のうちに、何かに駆り立てられていたような気がする。そして、気がつたら4年ぶり3度目の「県名人」に復位していた。ここ3年、県内で無冠という苦しい立場に立たされていただけに、今年に入っての県名人・竜王の二冠は今でも、信じられないでいる。と同時に、「全国大会」で相変らず低迷を続けている情けなさでいっぱいである。私のような地方強豪でも、席次第1位の「竜王」をはじめ、棋王、朝日オープンへの「夢」はある。今までにプロ3人に勝ったこともある。しかし、現実は、うたかたの夢でしかないのか。 ところで、山梨将棋界は近年、近県との対抗戦ばやりに沸いている。2年前には、富士山を挟む隣国「静岡」との年1回の交流戦が始まり、これまで団体戦1勝1敗、個人戦は私が2連覇させていただいている。また、昨年からは、埼玉を中心とするアマトップの研究会「翔風館」との交流が生まれ、昨年7月の対抗戦をきっかけに、私も月例研究会に参加させていただいたりしている。今年も8月に昨年同様、山梨にお招きする事になっている。 そして、昨年といえば、山梨で初の関東名人戦開催が特筆事項である。41回大会にして、初の山梨開催とは、昔の経緯は定かではないが、山梨では画期的な事であった。そして、なんと山梨Aチーム(若林正俊・杉野忠夫)が5勝3敗ながら団体優勝(県勢初)という考えられない結果を生んだ。この同じチームを組んだ若林正俊(山梨県名人6期)氏こそ私の県内最大のライバルで、静岡、翔風館との交流を決めた立役者である。 また、この若林正俊氏と奨励会時代から親交のあった小泉有明元支部名人も、その縁で近年、山梨に度々お越しいただいている。特に昨年は、9月の全国道場対抗戦で「甲府サロン中央支部道場」で小泉・若林・杉野の3人がチームを組み、準決勝まで無傷の全勝で勝ち上がったのは圧巻であった。また、昨年の翔風館との山梨対抗戦では山梨チームの助っ人として来ていただいたり、12月31日から1泊2日で指導してくださったりと、まさに山梨将棋界の師匠格である。今年の夏も来てくださる予定であり、私個人としても、小泉有明氏は居飛車統本格派の師と仰げる存在である。 また、山梨独自の取り組みとして、12年前から県内のトップクラスだけを選抜した「山梨将棋最強選抜会」(通称)を毎年7月〜3月まで月1回開催している。ここ6年は、私が主催者として「全国に通用する県代表」を目標に、県出身の奨励会員や県内の中学・高校名人ら10人余りの県トップクラスの研究会を実施しています。 個人的な変化として、今年1月からインターネット対局をとりいれている。昨年12月から会社の休日規定が変わり、月2回の日曜出勤を命じられて平日の休みが多くなった私にとっては、まさに実戦の場を提供してくれる貴重な存在となった。山梨にも道場といえば、甲府サロン中央や竜王将棋倶楽部などがあるが、日曜出勤の痛手をどう解消するかが大問題だった。今では、NSNと倶楽部24が私の道場である。3月からは、「インターネット将棋戦国時代」に武田軍として参加し、全国の数多くのかたと交流が出来、感激した。また、6月にはハイレベルの倶楽部24で念願の「五段」に昇段でき、嬉しかった。また、山梨将棋界のサイトである日将連「峡東支部」のホームページの掲示板は、毎日欠かすことの出来ない「広場」として楽しんでいる。 ところで、近年思いがけない事といえば、神奈川・千葉・茨城勢と戦う朝日アマ名人戦南関東ブロックで2年連続代表になった事である。山梨無冠時期のこの連覇は、まさに将棋の神様からの恵みと思わざるを得ない出来事であった。 最後に、私が携わっているビックイベントを紹介したい。2001年9月15日、16日に「第1回八ヶ岳将棋まつり」が山梨県長坂町の時計館隣で開催されます。目玉企画として、1日目に「ペア将棋」大会があります。男女問わず友達・親子・カップルなどなど、どんな2人1組でもOKです。2日目には、「八ヶ岳名人戦」の個人戦があります。そして、大会時間中に将棋を指さない同伴者の為のウオーキングもあるので、家族サービスにも利用できます。私は、この企画では審判長をアマ連から仰せつかり運営に廻りますが、全国から参加者を募集しています。
(次回は塩津一男さんにバトンタッチ)
|