リレーエッセーその25

悔しかった優勝

泉 健一



坂井さんより依頼を受けて書かせていただくことになりました。
駄文ですが、どうかお付き合いください。
まず初めに、おそらくリレーエッセイ読者の99%が「泉って何者?」だと思うので、軽く自己紹介をさせてください。
泉健一、現在大分大学の3年生で、棋力は将棋倶楽部24の二段です。
皆様よろしくお願いします。

大分大学初優勝……しかし

僕の所属する大分大学将棋部は、ゴールデンウイークに行われた春の団体戦で初優勝を果たすことができた。OBの方々にも喜んでいただき、来るべき西日本大会に向けて部室は活気にあふれている。しかし、僕自身はこの優勝を心から喜ぶことはできず、むしろ心の奥底は悔しさで一杯だった。それはなぜか。答えは「レギュラーではない」から。

初のレギュラー落ち

僕は過去、高校、大学と将棋部に所属してきたが、レギュラー落ちすることは一度も無かった。それは別に実力ではなく、単に人数が団体戦ぎりぎり、あるいは足りない、ということのおかげであった。しかし、そこに罠があった。レギュラーは確固たるものだと過信し、努力を怠った時点ですでに今回のレギュラー落ちへの扉は開かれていたんだなあ、と今になって思う。大分大学のレギュラー選出方法は15分、切れたら30秒の総当たりで、上から5人取るというもの。レギュラー候補は6人。上3人の力が抜けていたので、残る2つの椅子を3人で争うという構図だった。「24のRで考えれば僕が落ちることは無い」と思ったのが僕のあさはかなところで、対レギュラー1勝4敗という見るも無惨な結果に終わり、24のRは全く当てにならないといこうことを身をもって証明してしまった。さらにショックだったのが負けた将棋が全局逆転負けということだった。ようするに「弱い」のである。出るのをやめようかと思ったのだが、結局控えとしてでることとなった。

優勝してなきゃS級戦犯

いよいよ団体戦がはじまった。出場校は九州大、熊本大、福岡大、鹿児島大、西南学院大、長崎大、大分大の7校である。大分大は鹿児島大
、福岡大に連勝して、次に昨年春秋連覇している優勝候補筆頭の九州大と激突した。僕はこの試合に出してくれるように頼んだ。背景に「せっかく来たんだから一局は指したい、けど負けてもしょうがないくらい強い所で出たい」という気持ちがあった。が、そんなことならはじめから来なきゃいいのである。実力的に他のものより劣る僕がぱっとでて勝たせてくれるような人たちでは当然なく、痛恨の2−3負けを喫した。僕自身の将棋は序盤指しやすかったが、中盤圧倒的な力の差を見せつけられてしまい、早い投了となった。「分大のS級戦犯」。僕の頭には、はやくもこの言葉が回っていた。

奇跡は起こすためにある

優勝の可能性はほぼ絶望的になってしまったが、長崎大、西南大、そして熊本大に勝って5勝1敗で九州大−熊本大の結果待ち(分大は最終局抜け番)となった。状況は、

・九州大が勝てば九州大優勝
・熊本大が4−1か5−0で勝てば勝点で熊本大優勝
・熊本大が3−2で勝つと大分大の大逆転優勝

となっていた。結果は3−2で熊本大が勝ち、大分大が初優勝を飾った。

さらなる高みへの挑戦

現在部室では10秒将棋や研究等、西日本大会に向けての勉強が行われている(将棋以外のことも相当やっているようであるが)。しかし僕はそれらに積極的に参加する事は無いだろう。理由は自分より強い人に追いつくのに同じ事をやっていては駄目だとおもうからである。幸い自分専用のパソコンが家にあるため、24や研究等で彼らを追い抜き、西日本大会で初勝利をあげて、さらに飛躍したい。



(次回は早咲誠和さんにバトンタッチ)