リレーエッセーその42

きっかけとNHK

深浦康市



 将棋を覚えたのは、小1の時。内向的だった私に父が自信をもたせようと教えたのが、将棋との出会いでした。小4の時には、将棋ブームの影響もあり、学校の必修クラブには将棋を選択。その時、一つ上の野田真治くんに負けたくないため、勉強したのがのめりこんだきっかけにもなりました。更に強くなりたいので地元佐世保のアマ四段、川原潤一先生の元へ弟子入り。しかしライバル野田くんもどこで聞き付けたか負けずに同門入り。歯痒い思いもしましたが、これからが大変です。最初は7級スタートでしたが、野田くんは6級。1年半、お互いが三〜四段になるまで、なかなか勝たせてもらえなかったのです。歯痒かったらありゃしないんだけど、野田くんがいなかったらいまはプロにはなってなかったでしょうね。不思議な縁です。ライバルとの決着は、野田くんが中学入学と同時に終わりを告げました。

 平成13年春に初心者を強くするという機会を持ちました。NHK将棋講座での中井美穂さんです。
 自分が初心者の時は無我夢中で、どうして強くなったのか具体的に覚えてないので、どう教えればいいのかかなり悩みました。しかも中井さんと接する内に、彼女の潜在能力の凄さにびっくりさせられます。中井さんはそれをオブラートに包み、先生を立てるようにするものだから尚更です。私も結局開き直って、威張ることにしました。番組的には中井さんと鈴木聡彦アナの明るさで成功だったと思いますが、まだまだ将棋の魅力を伝える工夫はしなければいけないと思いました。

 先日、評論家の西部邁先生(元東京大学教授)にお会いしたとき、将棋ファンでNHK杯トーナメントを楽しみにされていると話されました。その時、「あの女性はすごく品格がある」と評論されてました。その気品(?)あふれる方にリレーをつなげたいとおもいます。



(次回は中倉彰子さんにバトンタッチ)