|
リレーエッセーその75 再会 鈴木彩子 |
|
故郷を離れて早一年。私は今、「CRAZY WORLD」に住んでます。満員電車に乗り、パソコンに向かい、叱られたり考え込んだりして、疲労困憊して家に帰る毎日。時々、目覚めても朝か夜かわからなかったり、散歩して迷子になったりする私は、相当ボケた人間です。 今はこんなつまらない生活してますが、○年前、NHKの将棋番組に出演しました。一世一代の晴れ舞台です。それにしても、なぜド田舎に住む初心者代表のような私があんな身の程知らずな大役を務めることになったのでしょう?? …行方尚史六段、小暮克洋さん、大変お世話になりました。 当時の私は、収録のためこのCRAZY WORLDを訪れていました。第一印象は憧れの都会。しかし収録が進むに連れ、印象も変わりました。 この世界の人、オカシイ。って言うか、同じ人間と思えない。 「地下には、水道管のようにエネルギー管が張り巡らされているに違いない。ここに住む人の家には、底抜けのエネルギーをチャージできる蛇口があるのだ。だからこそみんなエネルギッシュに働けるのだ」と想像力を羽ばたかせました。若者って夢がありますね。 しかし、今現在CRAZY WORLDにある私の部屋にエネルギーチャージの蛇口はなく、代わりに目につくのは、すれ違うたび私を消耗させる人の群れ、群れ、群れ。昔にエネルギーの源泉を感じた対象がどんどん嫌なものになっていくのを止められません。はっきり言って暗い生活です。 そんな中、部室で将棋を指した日は、坂道の自転車も軽く、かつ夜もなかなか寝付けなかった学生時代を思い出しました。溺れる者が藁をつかむようなものだと思いますが、せっかく縁あってこのリレーエッセイに参加させて頂いたのですから、思い立ったが吉日ということで、早速5手詰あたりチャレンジしようと思います。 そろそろ、ワーカホリックを卒業しないと気が狂うところでした。 拙文にお付き合い頂きありがとうございました。次は金内辰明さんにバトンタッチです。
(次回は金内辰明さんにバトンタッチ)
|