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リレーエッセーその83 「将棋」が「SHO_GI」になる日 秋山禎浩 |
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今回のバトンを子どもの頃からの親友である萩原さんから頂いたことを嬉しく思います。とは言え、いざ書こうという段階になりさて困った。「そうだ! 自分には文章など書けないし、だいいちネタがないじゃないか……」という当たり前のことを忘れていたのだ。他人の文章にレスを付ける程度ならまだしも、オリジナルのエッセーなんて……。でもお引き受けした以上、書かねばなりません。すみませぬが暫しお付き合いの程、よろしくお願いいたします。 何時だったか忘れましたが、なにかの統計資料で、「将棋」の競技人口が「バトミントン」のそれとほぼ同じ程度というデータを見たことがあります。こう書くと失礼に当たるかもしれませんが、一将棋ファンとしては、ちょっとショックな数字であったことは正直否めませんでした(バトミントンファンの皆様ゴメンナサイ)。 数年前、子どもの頃以来ホント久しぶりに将棋を指してみようかと思い立ち、以前足を運んでいた将棋道場に出掛けても「あれっ?確かこの辺りにあったのだが……」。その多くが跡形も無しでは寂しいモノです。放浪の末、ようやく見つけたMY道場も、その経営は決して楽ではないご様子。インターネットの普及等々、色々理由はあるのでしょうが、犯人探しばかりしていても仕方がありません。もっと瓶に水が満ちるよう、蛇口をひねる必要があります。つまり普及。 僕は現在埼玉県在住でして「参加することに(も)意義がある」の精神で、時折は大会に出掛けたりもしています。埼玉は関係各位のご尽力もあり、それなりの参加者(数)を維持している様なのですが、都道府県によっては「レベル」は別として「参加者数」はかなりキビシイという話も聞き及びます。「(泡沫)参加者なんか、少ない方が(大会運営上、持ち時間等の問題もあるし)じっくり指せて良いじゃないか」などと申される御仁など、まさか、まさかいませんよね? 僕も定期購読している「将棋世界」、最近誌面が刷新されました。それと機をおなじくして「ズバリ提言」のコーナーが無くなっていたのを見て「あれっ、なんで? どうして? 誰が決めたの?」と思ってたのですが、最新号では復活(?)を果していたのでホットしました。だって「ずばり提言」、毎月将棋を愛し将棋界を憂う論客達が、ちょびっと辛口だけど多くの「正論」を投稿されていたコーナーであり、それが機関誌に掲載されているのはとても健全なコトだから。 中でも池崎和記氏の「将棋マガジンの復刊を」には特に多くの反響があったようで、個人的にも関心を持って読ませていただきました。当該誌の廃刊に至った経緯が、財政の問題、費用対効果の問題等々、諸課題を検討した上での決断だったのであろう事は容易に想像が出来ます。ただ氏が指摘したかったのは、いまは蛇口をひねり、需要を喚起し、需給のギャップを埋めることが最重要のテーマであり、将棋マガジンの復刊はその一例としての提言であると理解しています。このまま、縮小均衡に主眼をおいた施策では、将来の見通しが厳しい であろう事は衆目の一致するところではないでしょうか。百歩譲って「費用」の問題でどうしても、というのならバランスシートにある「資産」のうち有効活用されていないモノを洗い出し、より活用を計ればよいのです。もしくは智恵を使うのに費用はそれほど必要でありません。 この辺で少し視点を変えてお隣の囲碁と比較してみます。書店では囲碁関係の書籍が将棋関係の書籍よりも、棚のスペースを割いているケースを多々見かけます。(将棋ファンから見て)ひどいケースになると将棋は麻雀とかと相部屋だったりしたりもします。「おいおい、いくら何でもそりゃぁないだろぅ!」と心の中で叫んでみても、書店には書店なりの経済合理性があるのでしょう。書店だけが悪いわけではないのです。いまや「三井住友銀行」なんてのが出来る時代、「囲碁・将棋連盟」なんてのもありだったりして? また、関連雑誌類の発刊数もざっと見た感じ囲碁の方が豊富に見受けます。やはりお隣さんの方が愛好者が多いということなのでしょう、どうひいき目に見たとしても。そう言えば、アニメの大ヒットをきっかけに、いま子ども達の間では、「囲碁」が大ブームであると聞きます。そう、あの「神の手だ!」ってヤツ。またYahoo!のトップページで「囲碁・オセロでこどもと…」とのリンクを見たことがあります。そのページに行くとちゃんと将棋もあるにはあるのですが、どちらかというと「おまけ」に近い扱い。このままでは益々彼我の差は開くばかり。別に「数が多い=良いこと」とも限らないかもしれないけど「人口が減少する国に経済の大発展はない」のが大原則。あれっ、途中から文章が変? 国内の需要が頭打ち、さすれば外需頼みは日本のお家芸。将棋&囲碁は伝統芸。僕の友人が海外での普及度合いについて面白い例えをしていました。いわく「囲碁は柔道、将棋は剣道」。な〜るほど。。もちろん競技自体の優劣とかではありませんょ、念の為。柔道は国際化に先んじてオリンピックの正式競技にもなっている、いまや世界の「JU_DO」。それに比し、剣道が海外で盛んと言う話は聞かないし、オリンピックはおろか、世界大会もあるのかしらん? 僕の無知故?? ただし世界に出て行くには、もちろんそれなりのリスクもあります。リスクのないところにリターン無しです。先のオリンピックで金メダル確実と言われていた日本の柔道選手が、ニュージーランド審判の誤審により仏選手に敗れよもやの銀メダル、あれは酷かった。もはや「柔道」とは別な競技の「JU_DO」なのです。将棋の「切れ負けルール」と同様、もしかしたらすでに似て非なる競技なのかもしれません。 あと、これは想像するだに恐ろしいですが、中国なんかには、直ぐに追いつき〜追い越されそう、との漠然とした恐怖を感じるのは僕だけではありますまい。だって人口が違い過ぎますものね。しかし発想を変えれば、将棋を通じて海外の人達との交流、楽しいことの様にも思えてきます。物事何でも功罪があります。つまりコインの裏と表の関係。形勢はどうなのか。何が正着なのか。残念ながら現状が不利な局面だとしたら勝負手はないのか。それらは判断がとても難しいのでしょう。そのことは充分に理解出来ます。しかしひとつだけ言える のは、目先の損得だけでなく、大局的な見知で政策の舵取りをしていただきたいモノです。公の存在として。 日本は、明るい時代が40年も続きました。そのトレンドが転換し10余年、ようやく一部の人々の意識も変わり始めました。一刻も早く、身の丈にあう様発想の転換を計るのが肝要かと思われます。僕は「文化」と「ビジネス」は相容れるモノだと信じています。 拙文、記憶だけで書きましたので文中のデータ等に多少誤りがあるかも知れません。決して恣意的ではありませんので、もしもの時はご容赦下さいませ。 次は、子どもの頃からの親友である金子タカシさんにお願いしたいと思います。最近、金子さんの名著『ザ・必死』が文庫化、『寄せの手筋』も復刊され、僕もようやく手に入れることが出来ました(将棋関係の本は絶版が実に多いのは何故でしょう?)。関係者の方々のご尽力に感謝致します。まだ他にも『凌ぎの手筋』等々ありますので、是非ご検討のほどよろしくお願いいたします。 (次回は金子タカシさんにバトンタッチ) |