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リレーエッセーその96 将棋を世界に広めよう 眞田尚裕 |
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湯川恵子さんからバトンを受けてこのリレーエッセイを書かせて頂く眞田尚裕です。 将棋を世界に広める会を主宰しています。 ところで将棋を世界に広める会をご存知ですか。「いやそんなカイは食べたことがない」などとふざけていないで、一寸考えてみてください。我々の会員は別としてかなり将棋好きの人でも「将棋を世界に広める会」がどんな会で何をやっているか詳しくは知らない方が多いのではないでしょうか。名前が大きくて夢があって面白そうじゃないかと思う方も、名前ばっかりのアヤシイ会ではないのという方も認識を新たにするためにこの先を読んで下さい。 1995年早春、週刊将棋の紙上に「将棋を世界に広めようと一人で力んでいる人がいる〜」と言う記事がでました。湯川博士さん(今、この業界では有名な人です)が書いてくれたものです。途端に全国各地から「同じ思いだから一緒にやりたい」とか「自分は動けないが、良いことだから頑張ってほしい」とか応援の投書がきました。その年の5月には同じ思いの8名の人が集まって「会」をつくりました。真田十勇士には二人足りないが七人の侍よりは一人多い人数での発足です。英語名は、 INTERNATIONAL−SHOGI−POPULARIZATION−SOCIETY 略してISPSとしました。 世界にはチェス、中国将棋など将棋に似たゲームが沢山ありますが、取った駒を又使うというルールがあるのは将棋だけです。このため日本の将棋は引き分けが少なく、終盤になってもかなりエキサイティングです。多分類似のゲームの中で一番面白いと言えると思います。この素敵なゲームを日本人だけが楽しんでいないで、世界中の人に知ってもらって一緒にプレーしようというのが会の目的です。2000年10月に会が特定非営利活動法人(NPO)の資格を取った時に作った定款には「世界各国に将棋を普及させる事業を行い将棋を通じて諸外国との交流・親善友好に寄与する」と書きましたが、平たく言えば将棋の面白さを知らない外国人に将棋を教えて一緒に楽しもうじゃないかと言うのがこの会の主旨です。 これまでにも思ったより多くの人達が外国人に将棋を教える努力をしてきています。だが一人の外国人に将棋を教えるのなら一人でもできますが、世界中が相手ということになると一人では無理です。そこで組織が必要になります。政治団体でも営利団体でもない「将棋の国際普及」を根底に持った人達の受け皿になることを目指した団体がISPSであると言えるでしょう。 そんなわけで会員1名だった会が2名になり8名になり、更に会報「かけはし」を発行するようになってからは飛躍的に増えて現在は約310名になりました。この中には約20名のプロ棋士も含んでいます。 会が過去に主催したイベント等はホームぺージ(http://www.isps.npo-jp.net/)にも載せていますが次の通りです。 ―1997年― 2月 第1回将棋国際交流会を開催 4月 北京から子供将棋親善使節団を招聘(子供3名大人2名) 12月 第2回将棋国際交流会を開催 ―1998年― 11月 北京への将棋親善交流の旅実施(参加会員35名) ―1999年― 6月 第1回将棋国際フォーラム参加選手を招いての歓送会を主催 8月 北京から中学生名人戦参加の選手団を招聘(子供2名大人2名) 8月 第3回将棋国際交流会を開催 11月 上海への将棋親善交流の旅実施(参加会員30名) ―2000年― 5月 ロシア(サンクトペテルブルグ)への将棋親善交流の旅実施(参加39名) 10月 第4回将棋国際交流会を開催 ―2001年― 2月 スウェーデンへの将棋親善交流の旅実施(参加会員8名) 7月 第1回東京北京小学生将棋交流大会実施(北京から小学生8名招聘) ―2002年― 7月 第2回東京北京小学生将棋交流大会実施(北京へ小学生12名を含む33名) 9月 スウェーデンへ将棋指導者を派遣(会員1名) ―2003年― 2月 横浜上海将棋交流会実施(上海から小中学生15名大人10名を招聘) 個々についての説明は省きますが、現在会としての活動方針は、既にアマ強豪クラスの人がいる国とのコンタクトは後回しにして、これから将棋を学ぼうと言う国で、普及の中心になる人(又は組織)が存在する国への支援を優先的に行うことにしています。 その意味から今年は日韓将棋チャンギ交流事業に重点を置いています。11月には日韓将棋チャンギ交流大会を開催します。企画は次の通りです。 1.期日 2003年11月1日(土)から4日(火)のうちの2日間 2.場所 ソウル市 韓国チャンギ協会 3.参加者 日本側 プロ棋士1名を含むisps会員(日韓将棋親善交流の旅一行) 韓国側 韓国チャンギ協会会員 将棋を学びたい小中学生 4.内容 第1日 チャンギの講習と実戦、指導 第2日 将棋の講習と実戦、指導 5.主催 将棋を世界に広める会 韓国チャンギ協会 6.後援予定 在大韓民国日本大使館 NHK KBS 7.協賛 (株)御蔵 韓国へ行ってチャンギを学び将棋を教えようと言う大会です。この大会をきっかけに韓国将棋協会は精力的に日本将棋の普及の為の活動を行う予定で、現在計画の細部にわたって検討中です。 最後に将棋を世界に広める会が今後元気よく活動を続けていく上での問題点をあげます。 それは発足当初から言われていることですが、財政基盤と組織の弱さです。 お金があればやりたいことはいっぱいあります。「将棋指導者海外派遣制度創設」とか「将棋留学希望青少年受入施設の創建」とか、一つだけでもけた違いな資金を必要とします。 ISPSの財源は会員の入会金・年会費、寄付、助成金などですが基本的な部分は会費です。ところが会員数はこの1年間約310名で頭打ちになっています。絶えず、少しずつ入会者はあるのですが、発足当初義理で入会してくださった方や「気はあっても体が」というお年寄りなど退会希望者も同じくらい出るからです。願わくは800名、少なくとも今の倍の人数を維持したいものと思っています。特に10代、20代の若い会員の数が少ないのが大きな問題です。 組織のことも一部は会員増等お金の問題と絡んでいます。ISPSの活動はほとんどが理事・会員のボランティアで成り立っています。プロの大先生を指導将棋等でお招きしても足代しかお支払いしないことがしばしばで全くの無料のこともありました。理事の活動もできる人ができる時にできる事をやるのが原則ですから仕事の量はアンバランスです。 特にある程度専門的な仕事の部分は、その人が退会すれば直ぐに困ってしまいます。例えばコンピューターによる会報の編集の担当者が辞退し、会員の中で直ぐ同じことのできる人がいなくて他の会の方にピンチヒッターをお願いしたりして急場を凌いできたりしています。 ただで仕事をするボランティアには限界があるといわれています。特に技術的なことや沢山の時間を要することは、ボランティアの部分と分ける必要があると考えています。 リレーエッセイの場を借りて会の宣伝をさせて頂いて恐縮ですが、将棋の国際普及を志している将棋好きの方々が、「よしわかった、それなら心意気で(或は知恵で、お金で、技術で、労力で)応援しよう」と言いながら、この未成熟・未完成な会に参加して下さることをお待ちしています。 次の走者の寺尾さんはISPSの有力メンバー(15人いる理事の中の1人)です。 ホームページの面倒をみてもらっています。 (次回は寺尾学さんにバトンタッチ) |