リレーエッセーその98

世界ランキング

樋口達志



 リレーエッセーを引き受けたのはいいものの、はて、何を書いたものでしょうかねぇ? ……おや? 前任者の寺尾学さんがネタを振ってくれているじゃないですか。じゃあこれで行きますか。(←安直)



 拙ホームページに「プロ棋士レーティング」というコンテンツがあります。レーティングというのは将棋倶楽部24等でも用いられている、実力を示すひとつの指標ですが、それをプロ棋士に当てはめるとどうなるかというのを試算したものです。

 現在では(日本の)プロ棋士のランキングがそのまま「世界ランキング」に相当するので、大仰に表現すると、3ヶ月ごとの世界ランキングを公表しているということになるでしょうか。(大きく出たなあ)

 なぜこのようなページを作ったかというと、数年前にプログラムを書いていたのが残っていたというのが主な理由です。会社の将棋部でレーティングをやろうよ、という話が持ち上がったときにチョロチョロっと書いたのですが、結局立ち消えになったのですね。まあ、せっかく書いたプログラムがボツになるのはよくある話ですが。

 レーティングを計算するプログラム自体は至極簡単です。問題は、中身となるデータを作成する手間です。最低でも日付・両対局者名・勝敗を全ての対局について記録しなければならず、この作業が膨大で、大変なネックなのです。ところがインターネットの普及に伴って、2000年頃から将棋連盟のページで毎日の全対局結果が公表されるようになりました。これを整形して計算プログラムに食わせれば良いということに気づき、ボツ山にうずもれていたプログラムに陽の目が当たることになったのです。というわけで、このコンテンツは連盟職員の方が作成している日々の勝敗結果に頼りきったもので、私としてはその作業に対してひたすら感謝、感謝なのです。

 当レーティングでは、対局ごとの重みづけは全く行っていません。つまり、竜王戦第7局も、テレビ対局の1回戦もみな同じ「1局の将棋」として同等に扱っています。全対局の重みを、誰もが納得できるようにそれぞれ数値化するのは不可能なので、まあこれはこれでいいのかなと割り切っています。ひとつの指標の下にプロ棋士「全員」のおおよそのポジションを提示しているという点に意味があるのでは、と思っています。

 独自仕様もいくつかあります。一つはハンディキャップの最大値を13点としたことです。通常の最大値15点が適用された場合、点数のやりとりが「勝てば1点、負けると31点」となり、プロ棋士同士の対戦でこれ(31倍層!)はいくらなんでもひどいと思ったからです。また、レーティングに「奨励会員」「女流棋士」「アマチュア」を組み込みました。この方々の場合、個々人に持ち点を与えてもなかなか対局数が増えないので、このカテゴリに属する人全員をまとめて一人としています。リレーエッセーに登場するアマチュア強豪の皆さんが「アマチュア」のレーティングを上げてくれるといいなと、個人的には思っています。

 このようなページを作っていますが、私自身は特にレーティングには詳しくありませんし、ここで出力している結果が必ずしも正しいとは思っていません。たとえば、現在(2003年9月)では、羽生善治四冠が“ぶっちぎり”じゃないとおかしいでしょ。という訳で、ごひいきのプロ棋士が不等に低い順位になっているということも多々あることでしょうが、あくまで遊びで試算しているものですからご容赦いただきたいと思います……と、一応逃げを打っておきましょうか。



 次は、埼玉県のアマチュア強豪であり、社会人リーグ戦では「東工大OB会チーム」の主将としてチームを引っ張ってくれている松本誠氏にお願いします。



(次回は松本誠さんにバトンタッチ)