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リレーエッセーその100 将棋をもっとアピールしよう! 古賀一郎 |
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記念すべき100回目に順番が回ってくるとは大変光栄なことである。でも、将棋のほうはすっかり低迷状態でネタがないので、最近通っている英会話スクールでの出来事について書いてみることにした。 英会話スクールへは昨年夏から通い始めた。もちろん、座右の銘が「人生されるがまま」の私が自発的に始める訳はない。ちょっとは英語を勉強しろ、という上司の命令にしぶしぶ従ったまでのことである。最初のうちは通うのに気が重くてしょうがなかった。 しばらく通っているうちに気が付いたのだが、大半の生徒は20代前半とおぼしき若者(女性のほうがやや多い)なのである。有閑マダムはちらほら見かけるが、30半ば過ぎの私みたいなオッサンはほとんどいない。私くらいの世代になると、普通は時間に余裕もなくなり日々の生活に疲れきってしまうんだろう(頭も固くなりだす頃だし)。もうちょっと早くからやるべきだったか。 しかし、若い女性が多いというのは実にすばらしい環境だ。いつの間にか、私の足は自然にスクールへと向かうようになっていた(おいおい、目的を間違えてませんか?俺)。 通常、レッスンは生徒どうしの対話形式で行われる。とりあえずは趣味の話をするのが手っ取り早い。「マイ ホビー イズ ショウギ……」と言ってみるのだが、大抵「へー」「ほー」といった反応をされる。珍しいねえ、というリアクションなのであるが、特に変な印象を持たれた様子ではない。かといって興味を引かれたわけでもなく、それ以上会話は膨らまない。そこで、次は音楽の話でもするのだが「マイ フェイバリット ジャンル イズ メタル……」と言うとイマドキの女性達は「エー」と今度は顔をしかめる。メタルは日本ではいつの時代もメジャーではないんだなあ(熱狂的ファンの人もたまにはいたが)。この反応から判断すると少なくともHM/HRよりは将棋がマシ、ということか。どうも、私の嗜好は何事も超マイナーらしい。 それにしても、スクールに通いだしてから100名近い人に会ったと思うのだが、将棋が趣味という人は一人もいなかったのは寂しい(小学校のときルールは覚えたがその後は全くやってない、という男性には数名会ったが)。将棋人口1000万人というのはやっぱりデタラメとしか思えない。やっぱり将棋というのは一般の人には全然浸透してないな、と再認識させられた。 通い始めて1年も過ぎれば、親しい仲間も増えてくるし、外国人の先生方と意思の疎通も取れるようになる。どうやら先生方はチェスが好きのようで、レッスンの空き時間に暇そうにしている生徒を見つけたらルールを教えていたりする。私もちょっとは心得があるので3人の先生に挑んでみた。そして見事全駒に……されてしまった(毎回)。私には応用能力というものが欠如しているらしい。まあ、英語のトレーニングの一環としてプレイしているのだから、勝敗は重要ではない……というのはちょっと苦しい言い訳かな。 スクールでは毎月末に簡単なパーティーを行っており(ボードゲームでもやりながら英会話を楽しむというもの)、この9月はチェスを行うことになった。ただ、最近体調が芳しくなかったので最初は参加するつもりはなかった。だが、先生の一人が将棋もついでにやろう、と私に提案をしてきたのである。こんなチャンスは滅多にないだろう。そう思い直し快諾した。 しかし、2人の先生と10人程度の生徒達を相手に実際に英語で説明をしてみると、しどろもどろもいいところ。ただ、先生方にはチェスの予備知識があったせいか、駒の動かし方を教えるのは盤上で示すだけで何とかなった。漢字の表記もさほど抵抗なく受け入れてもらえたようだ。成・不成の選択、千日手も何とかクリア。しかし問題は将棋にのみ存在する打ち歩詰め、入玉規定の説明である。さすがにこれは難しい。でも、あらかじめちゃんと虎の巻(4 great games;将棋・チェス・象棋・碁のビギナーズガイド)を用意していたんだな。しかし、動揺していたためかどこに記載があるのか探しだせない。あわわわわ。ちゃんとアンダーライン引いとくんだった。結局、面倒くさくなって「プリーズ リード ディス ブック OK?」あーあ、これじゃ全然説明になってない。所詮は私の英語、こげなもんである。 という訳で私の英語のレッスンとしては失敗に終わったが、先生方が興味を持ってくれそうなので将棋普及(ちょっと大げさか)という面では成功なんだろうか?そしてその場にいた若人達も駒をまともに動かしていたので少しは理解してくれたんだろう、きっと。 それにしても、英会話学習と将棋が結びつくとは夢にも思わなかった。趣味は将棋だ!と常々言ってきてよかったな。大抵の人は「難解だ」と敬遠しているだけで、決して「ダサイ」「暗い」というイメージは持っていないと私は思う。皆さんも卑屈にならずに胸を張って将棋をアピールしていきましょう! そうすれば、将棋がメジャーになる日は近いかもしれません。 次は西日暮里道場でずっとともに切磋琢磨してきた小泉卓也君にバトンタッチです。
(次回は小泉卓也さんにバトンタッチ)
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