リレーエッセーその104

どっちの普及ショー
〜はさみ将棋と回り将棋の名人戦?!

山田敦幹



 先日、羽生善治名人との角落ち戦(ぼろ負けでした)終了後、打ち上げがあり、私は羽生名人、観戦記担当の豊川孝弘六段、共同通信の橘孝幸記者、記録係の田中誠初段、連盟事務局の方々とともに昼食を食べていました。

 豊川六段がケーブルテレビの話をされてから囲碁将棋チャンネルの話になり、私がそこで「囲碁の九路盤の子供切れ負け勝ち抜き戦は初心者の私が見ても楽しいですね」と言ったところ、そこで将棋は難しすぎるので何が普及につながるか?という話になりました。なかなか面白い意見が聞けたと思いますので、ここに掲載してみたいと思います。(なお、私がビールを飲みながら聞いておりその方の意見とは中身が違う可能性がありますので、どなたの発言かについては省略させていただきます)



――囲碁は最後『地』をつくってすぐ次のゲームにいけるが、将棋は『負けました』と言わないと次にいけないのはゲーム終了の合図として囲碁に比べて厳しすぎるかもしれない。女性に普及するには、はじめ教えるときに投了の儀式を簡素化するのは(例えば駒台に手を置くだけですぐ次ができるようにするとか)どうでしょうか。将棋に興味を持ってもらってから礼儀について教えるのも一つかもしれないですね。

――九路盤のように囲碁は盤面を少なくしても手筋を味わえる所がいいのだから、将棋もいまある5×5の普及用だけでなく、6×6を作っては。5×5だと歩をお互い付き合うと行き詰まるので。

――駒を取るのが将棋の楽しさの一つ。取ることと駒に触ってもらうため、囲碁将棋チャンネルではさみ将棋の勝ち抜き戦コーナーを作ってもらえれば。羽生名人を名誉総裁にして、私がはさみ将棋名人を名乗って、やりたいですね。

――駒にさわってもらう意味では回り将棋や山崩しのルールを統一化して囲碁将棋チャンネルで実際にやってもらうというのはどうですか。

――ペア将棋も今は男女のアマアマ戦を仁科(博子)さんが開催していらっしゃるが、プロプロでなく例えば羽生名人と10級の女の子のペアとかにしてプロアマでペア将棋の大会を開催したら面白いのではないですか。

――ポンキッキーズで将棋を教えたときは3時間の収録でみんな覚えてくれたみたいですね。ただ、そのときは20人の子供に10人のプロがつきっきりだったのですが。

――日本棋院は棋院の名前入りの盤と石を各小中学校に送るプロジェクトをしたそうですね。連盟でやるのはどうでしょうか。

――高校新人戦という全国大会に女子高生が100人以上参加するんですね。そういった方が大学でも続けてもらえるように、例えばその大会のパンフレットに各大学の将棋部のOB会が広告を載せるとか、地道な努力が大事ではないでしょうか。



 もっとあったと思いますが、忘れてしまったようです。個人的には投了の件なんかは「なるほど」と感じましたね。実際に普及に汗を流していらっしゃる方々はこの文を読んでどうお感じになりますでしょうか。「現実はそんな甘いものではない」かもしれませんが、何かのヒントが一つでも含まれていると感じていただける方がいらっしゃればこの文を書いた甲斐があるというものです。



 次は私の大学時代の先輩であり、学生名人の先輩でもある外山茂さんにお願いします。



(次回は外山茂さんにバトンタッチ)