リレーエッセーその107

とある主婦のひとり言

畑中さゆり



 はじめまして。畑中さゆりと申します。将棋が大好きな平凡な主婦です。
 夫の畑中謙吾が趣味の将棋を楽しんでいるのを見た時に、「わー、きれい……」と思ったのがきっかけで将棋を始め、今ではすっかりその魅力にはまっています。

 今回、いつもお世話になっているおじいさん、あ、いえ、偉大な師匠の樋田栄正先生からバトンを渡され、喜んで引き受けさせて頂きました。(←こう書けと言われた^^;)



主な棋歴

・北海道女流王位戦3年連続4回の優勝
・アマ女流名人戦準優勝2回
・アマ女王戦準優勝
・関西アマ女流名人戦準優勝
・箱根女流名人戦優勝
・桜花杯準優勝2回
・神戸レディース準優勝
・(さりげなく、平成最強戦・予選突破も)

 げげ、準優勝、多いですねー。恋愛で流した涙の数より将棋で流した涙の方がずーっと多いです(笑)。
 おまけに敗因を考えてて、電車にカバンを置き忘れる事など多々ありました。
 こんな精神的に悪い、時間もお金もなくなってしまう将棋にはいったいどんな魅力があるのでしょう。



初心者の頃の思い出

 将棋に興味を持ち始めた頃、夫がいろいろ協力してくれました。
 最初、早石田を教えてくれました。しかし飲み込みが悪く、すぐ却下。
次に棒銀。▲1五歩△同歩▲同銀のところを▲同香と取ってしまい「合わない」と思ったらしく、(1度のミスで「合わない」って思うかしら?)次に右玉を教えてくれました。その他4手目△7四歩や鳥刺しなど。
 しかし、今から思うと初心者に「早石田」→「棒銀」(これは良しとして)→「右玉」って教えるかなー? 普通四間飛車か棒銀でしょ(笑)。

 結局、何を教えてもらっても良くわからなくて一人で詰め将棋ばかりしていました。ですから、序盤と終盤の棋力がアンバランスな初心者でした。
 「毎日旦那さんから特訓受けてるんでしょう」と、よく言われますが、初心者の頃の苦い思い出があるので基本的には一人で研究しています。(ちなみに夫は初心者教えに失敗した経験を生かし、今では町内会で初心者教えが上手なおじさんとして慕われています。)



遠征

 いろんな道場や大会にもよく指しにいきました。関東各地、山陰地方、沖縄、関西各地、東北、北海道など。
 いろんな方と真剣勝負したい!と思っていただけですが「どこにでも出没する人!」と思われているかも知れません。



交流

 将棋を始めて老若男女、いろんな方々に出会いお世話になりました。
 最初、家から電車で3分のところにある柏将棋センターに通っていました。こちらでは石田和雄先生はじめ、道場のおじさん、お兄さん方に鍛えていただいて強くなっていったと思います。

 米子の平野琢也さんには、初心者の頃から実戦で何十局も教えて頂きました(初めて競馬に連れて行ってくれたのもこのお方です)。

 また西日暮里では、妙な方々とも仲良くなりました。
 裏の女帝こと、足立由美さん。この方にあいさつを忘れてはいけません。呼び出しされてお説教されます。
 寝たきりアタックという必殺戦法を持つ古賀一郎さん。精神的に達観なさっている方で何か相談しても「なんとかなりますよー」とか「心臓、止まらなければいい」「メラメラ燃えて灰になる」と若者に奥の深いお話をされます。そして「将棋は足腰」と言い、大会前日はマラソンして血のめぐりをよくしています。
 樋田栄正さん。私が角筋間違えたらげんこつするの止めてくれたらいい人です。
 人妻キラーの小泉卓也君。「ムシャムシャムシャー。私、オールラウンドプレーヤー」と称する卓也君はいろんな戦法の相談に乗ってくれる親切な方です。

 毎回女流戦に応援に来て下さってありがたく思っています。いつも具合悪くなる将棋ばかり見せていますが、いつか師匠方に恩返ししたいと思っています。
(書けなかった方々すみません。)



アマ女流棋界

 アマ女流棋界では、石内奈々絵さんや佐藤裕美さんのように一度プロをめざしてアマ界で復活、活躍される方がでてきました。これによりさらにアマ女流のレベルがアップしました。一将棋ファンとしては喜ばしい事です。きっと彼女たちを目指して切磋琢磨する女性が増えること間違いありませんし、そしてどんどん女性の棋力も上がっていくでしょう。

 ここで、新聞社様&スポンサー様にお願いです。
 出来れば、女流の各棋戦にアマ枠1つか2つくらい作ってもらいたいです(朝日アマなみに8人、なんていったら最高ですけど)。  アマが出場出来るのは今のところレディースオープンしかありませんが、とても素晴らしい企画だと思っています。女流アマ枠により女性の将棋界も活気づくと思います(私だけかしら?)。底辺層であるアマチュアに夢を!!(←怪しいキャッチフレーズ)



家族・育児

 こうして将棋を楽しめるのも家族の協力、支えのおかげです。
 特に息子は、乳児の時期からあちこち連れまわされ迷惑だったでしょう。道場に通い始めてから数ヶ月もしないうち妊娠・出産をしました。出産後もアトピーや乳腺炎を繰り返し大変な時期もありましたが、出産6ヶ月後には子供を連れて大会へ参加していました。(初めて参加した女王戦Bクラスでは対局の合間に授乳していましたが、運良く優勝できました。)
 その息子も小1になり、今では「お母さん頑張ってね〜♪」と暖かい声援を送ってくれます。
 また、大会のたび子守をしてくれた夫には感謝の気持ちで一杯です(ちなみに実家の両親は囲碁をやってるのか将棋をやっているのか未だに理解していません。涙)。

 まだまだ将棋の奥深さを知りませんし、もっと強くなりたいと思っていますのでこれからも大いに将棋を楽しんでいきたいと思います。



 次は、酒飲み友達でもうすぐ義理の弟になる山木祐治さんへバトンタッチです。



(次回は山木祐治さんにバトンタッチ)